ペベリンスキーズ・ブログ

ペベリンスキーのチラシの裏。

電気メス VIO300D

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ERBE VIO300D ドイツ・エルベ社高周波手術装置

切開:オートカット Autocut

出力300W/ピーク電圧740Vp/エフェクト8

切開:ハイカット Highcut

出力300W/ピーク電圧950Vp/エフェクト8

凝固:ソフト凝固 Soft Coagulation

電圧を190Vp以下に抑えることでスパークを発生させず、ジュール熱のみを利用したピュアな凝固モード。出力MAX200W、エフェクト数8。

凝固:スイフト凝固 Swift Coagulation

剥離に適した凝固モード。出血の多い粘膜切開や粘膜下層の剥離を効果的に行えます。出力MAX200W、エフェクト数8。電圧2500Vp。

凝固:フォースド凝固 Forced Coagulation

標準的な接触凝固モード。素早く組織を焼き潰すのに適していますが、組織の炭化や組織の付着による再出血の問題があります。出力MAX120W、エフェクト数4。電圧1800Vp。

凝固:スプレー凝固 Spray Coagulation

フォースド凝固よりも電圧を高くして、空中放電を可能にした凝固モード。アルゴンプラズマ凝固はこのモードにアルゴンガスを付加したもの。出力MAX120W、エフェクト数4。電圧4300Vp。

切開:エンドカット Endocut

EST用に開発された、切開と凝固を交えたモード。エンドカットIとエンドカットQに分かれる。使用器具や症例などによって止血効果(effect)、切開幅(cut duration)、切開速度(cut interval)を独自に設定できる。
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止血効果(effect)・・従来のeffectでは、切開時の電圧を上げることで、切開時の凝固効果を変化させていた。(effectを上げると、切開時の電圧が上がりスパークも大きくなり、切開時の凝固層が広くなった)VIOのエンドカットでは、切開休止時の電圧を変更するため、切開効果を変えずに凝固効果のみ変更できるようになった。Effetは4段階。

切開幅(cut duration)・・切開のパルス時間を変更できる。大きくすると一回の切開の幅も大きくなる。4段階。

切開速度(cut interval)・・1サイクル(切開時間+切開休止時間)の間隔を変えることで、早く切るか、ゆっくり切るかをコントロールできます。

アルゴンプラズマ凝固法(APC)

Argon-Plasma Coaglation;APC
スプレー凝固(放電凝固)では、通常よりも高い電圧(4300V)をかけることにより、抵抗の高い空気中にスパークを飛ばす非接触的な凝固法です。接触した点でのみでの接触凝固に比べ、面で凝固できるスプレー凝固はoozingに対して有効な止血法といえます。これをさらに発展させたのがアルゴンプラズマ凝固法(APC)です。

電離しやすいアルゴンガスは、高電圧のスプレー凝固出力によってイオン化したガス(プラズマ)となり、電極と組織の間に効率よく電圧を通す、橋渡し役となります。また発生したアルゴンプラズマビームは、電流密度が低いため、凝固深度は表層にとどまり、かつ均一です。
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関連エントリ:アルゴンプラズマ凝固法(APC)について

クレアチニン

http://medical-checkup.info/article/44598029.html
クレアチニンとは、筋肉運動のエネルギー源となるアミノ酸の一種クレアチンが代謝されてできた物質です。尿酸や尿素窒素と同様に老廃物のひとつです。
クレアチニンは腎臓の糸球体で濾過されますが、尿素窒素とは違って尿細管ではほとんど再吸収されずに、尿中に排泄されます。筋肉運動の代謝産物であるため、筋肉量に比例した量となります

基準値の範囲

男性…0.5〜1.1mg/dl
女性…0.4〜0.8mg/dl

クレアチニン値は筋肉量に比例するので、一般に女性より男性のほうが10〜20%高値になります。

検査結果の判定

血液中のクレアチニンの数値が高いのは、腎機能が低下していることを示唆し、低い場合は、筋肉に関わる異常を想定します。日本人間ドック学会の判定基準では、男性が1.2〜1.3mg/dl、女性が0.9〜1.0mg/dlは、場合により経過観察が必要とされています。一般に中程度の腎不全では1.5mg /dlを超え、重症では2.4mg/dl以上になります。そして、クレアチニンの値が5mg/dlを超えると回復は難しくなり、10mg/dlが人工透析を始める一つの目安となります。

クレアチニン尿素窒素は、腎機能が50%前後まで低下しないと高値を示しません。数値に異常があればなんらかの疾患が進行していることが考えられますので、すぐに原因究明を行なうことが必要です。その意味では、境界域でも危険な数値と考えた方がよいでしょう。

脳血管内治療について

頚動脈について

http://web.sc.itc.keio.ac.jp/anatomy/angio%28nerve%29/av-10.html
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Anterior cerebral artery 前大脳動脈
Middle cerebral artery 中大脳動脈
Posterior communicating artery 後交通動脈
Basilar artery 脳底動脈、バジラ;BA
Carotid sinus 頚動脈洞;CS
Vertebral artery 椎骨動脈;VA
Subclavian artery 鎖骨下動脈
Brachiocephalic trunk 腕頭動脈
Common carotid artery 総頚動脈;CCA
External carotid artery 外頚動脈;ECA
Anterior communicating artery 前交通動脈;ACA
nternal Carotid Artery 内頚動脈、アイカ;ICA

動脈瘤(破裂・未破裂)に対するコイル塞栓術

動脈瘤とは、脳血管の分岐部の血管壁が嚢状に拡張したものです。脳動脈瘤が破裂した場合、くも膜下出血をきたします。
一度破裂した動脈瘤は、無処置の場合、再破裂する危険性が非常に高いため、通常は再破裂予防の手術が必要です。これまでは開頭クリッピング術が標準的治療として行われてきましたが、細いカテーテルを瘤まで到達させる技術が進み、開頭をしなくても治療ができるようになりました。

電気的に離脱可能なプラチナ製のコイル(Guglielmi detachable coil: GDC)を開発して以来、開頭クリッピング術が困難な動脈瘤に対する治療法として、GDCによる脳動脈瘤瘤内塞栓術が世界中で広く行われるようになりました。
http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med28/cli/ope/op04.html
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狭窄に対するステントを用いた血管形成術(CAS)

脳梗塞や一過性脳虚血発作を起こした方の頚部内頚動脈を調べると、アテローム斑による血管の狭窄が見つかる人がいます。
この狭窄が70%を超えている場合には、薬だけをのんでいるよりも、内膜剥離術という手術によって血管内腔を広げたほうが脳梗塞の発症が抑えられることが明らかにされています。
2004年には、高年齢、重度の心疾患・肺疾患保持者など、内膜剥離術を行うにあたり危険度の高い患者群に対しては、ステントを用いた血管形成術(carotid artery stenting; CAS)の方が、より安全に治療を行いうるとの報告がなされました。
http://web.kanazawa-u.ac.jp/~med28/cli/ope/op04.html
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透析の合併症

シャントの合併症

http://www.nininkai.com/kiso.htm
①閉塞;動静脈に動脈硬化のような病変がなくても大量の除水による血圧の低下・下痢等の脱水・長時間の圧迫が原因となって閉塞します。
 ②狭窄;動脈の高い圧力の血液が静脈に流れ込むことにより、静脈内側の膜が傷つき厚みが増して内腔が細くなります。狭窄距離が短ければ風船つきの管(PTAカテーテル)で治すことも可能です。
 ③シャント瘤;動脈の高い圧力の血液が静脈に流れ込むことにより、静脈の内側の膜が傷つき、静脈の壁が薄くなり瘤を形成します。また同じ場所の度重なる穿刺で血管の壁が壊れ瘤が形成されます。
  急速に大きくなった場合・青紫色に変色した場合・あるいは感染した場合は止血が困難となり破裂することがあります。
 神経を圧迫してしびれ感が出てくるときや破裂しそうなときは手術をして取り除きます。
 ④スチール症候群;シャント血流が多くなると、指先に血液が流れず、冷たく・白くなり、痛みを感じます。透析時や夜間に強くなります。進行した場合指先が腐ってくることがあります。
 動脈硬化が強い場合や手術時の動静脈の吻合径が大きい場合にも起こります。
 ⑤静脈高血圧;返血側に圧がかかり、指先に腫れ・痛み・熱感を自覚します。進行した場合指先が腐ってくることがあります。同じ場所の穿刺により起きることが多いようです。
 ⑥感染;透析終了後に穿刺部に痛み・赤み・腫れ・膿があることで気付きます。進行すると全身感染を起こすことがあります。
 多くの場合、同じ部位の穿刺・穿刺時の不潔操作(消毒不足)・抜針後の不潔操作・止血が不充分な場合に起こります。

スチール症候群

スチール症候群は内シャントに伴う比較的稀な合併症であるが,一旦発症するとその治療に難渋することがある.とくに,肘関節部における本症候群に対しての確実な治療法はない.これまでに内シャント閉鎖,バンディングが試みられてきたが,前者はブラッドアクセス確保の点から行い難く,後者には不十分な効果・シャント閉塞といった問題がある.
http://www.jsvs.org/journal/meeting/abstract.php?mc=32&p=PL&no=18

鎖骨下動脈スチール症候群(subclavian steal syndrome(SSS)の一例

高流量化した前腕の内シャントが,鎖骨下動脈の血流速度を亢進するとともに,鎖骨下動脈の血圧を低下することになり,椎骨動脈の逆流をきたし,椎骨脳底動脈血流不全(verteblobasilar insufficiency(VBI))をきたした。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/42/7/42_529/_article/-char/ja