EPS 心臓電気生理検査について
EPSとは
Electro Physiologic Study;EPS 心臓電気生理検査
適応疾患
- PSVT 発作性上室性頻拍
- AFL 心房粗動
- PAF 発作性心房細動
- VT 心室頻拍
- 原因不明の失神
- VT,Vfの誘発
- 薬剤が刺激伝導系に及ぼす影響の確認
カテーテルの留置部位
- HRA高位右房
- Hisヒス束
- RV右室
- CS冠状静脈洞
一般的な電極カテ
- FixedType 先端カーブが固定
- SteerableType 先端カーブ形状を可変可能
- His-RVカテ 一本でHisとRVへ留置可能
- CSカテ Snake(Bi-directional Type)
- PVカテ lasso
心内心電図
- HRA 右房A波
- His 右房A波、ヒス束H波、右室V波 →AH時間、HV時間
- HRA 左房A波、左室V波
- RV 右室V波
房室伝導時間
- AH時間
His束電位のA波からH波までの時間。正常範囲50-120ms。興奮が右房下部から房室結節を経由しHis束に達するまでの時間(右房内の興奮伝導時間)
- HV時間
His束電位のH波からV波までの時間。正常範囲30-55ms。興奮がHis束から脚、プルキンエ繊維を経て心室筋に達するまでの時間。
主な刺激方法
- 頻回刺激 例:300ms間隔
- 期外刺激 例:500ms間隔で4回、280msで1回
- 単一刺激
機能評価1:SNRTの測定
Sinus Node Recovery Time;SNRT 洞機能回復時間。正常値は1400ms未満。例:120bpm(500ms)間隔で30sec刺激し、洞機能が回復するまでの時間。
機能評価2:SACTの測定
Sinoatrial Conduction Time;SACT 洞房伝導時間の測定。8拍のバースト刺激(A2A2)を与えてReturn Cycle(A2A3)から基本周期を引く。(A2A3-A1A1)/2。正常値150ms以下。
機能評価3:潜在性房室ブロックの検索
心房バーストによるWenckebachレートの確認。心房エクストラによるブロック部位の診断。
機能評価4:逆行性伝導評価
心室から刺激をいれて心房への伝搬を確認。VA伝導の確認。