裏面照射型CMOSセンサーまとめ。

iPhone4でも採用された裏面照射(back-illuminated)型CMOSのまとめ。
※写真はソニー製「Exmor R」

裏面照射型CMOSとは

表面照射型のCMOSセンサーの場合、光を集めるオンチップレンズやRGB各色のカラーフィルターと、光を感じて電気信号に変換するフォトダイオードの間に電子回路の配線が通っている。信号を伝えるためには不可欠なものなのだが、オンチップレンズが集めた光が途中の配線で遮られ、効率よくフォトダイオードに届かない欠点があった。例えるなら、目の細かい金網を通して景色を眺めるような感じだろうか。

　この金網を外してしまおうというのが、裏面照射型CMOSセンサーの基本的な考え方だ。具体的には、今までのCMOSセンサーの裏表をひっくり返したという単純な構造である。といっても、マイクロメートル単位で厚さをコントロールすることや、この配置にすることで発生するノイズを制御するのはかなり困難だったらしい。発想自体はかなり前からあったのだが、製品化するにはかなりの年月を要した。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20100225/1031095/

裏面照射型CMOSセンサーの考え方は20年以上前から知られていたが、製造技術が追いつかず長い間世に出ることはなかった。ソニーでは、独自の製造技術を確立することで2009年2月に裏面照射型CMOSセンサーを搭載した初めての製品である「ハンディカム」の発売に至った。

裏面照射型CMOSセンサーの大まかな製造工程はこうだ。まずシリコン基板（ウエハー）上にフォトダイオードを設け、その上に配線層を設置する。ここまでは従来の表面照射型CMOSセンサーと同じだ。次に、全体をひっくり返してフォトダイオードの位置までシリコン基板を削っていく。その後、カラーフィルターやオンチップレンズを載せて完成となる。

裏面照射型CMOSセンサーの製造過程。シリコン基板を削る作業が、これまで量産を阻んできた大きな要因だった 裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」。写真は、「Exmor R」を搭載した初めてのデジタルカメラ「サイバーショットDSC-WX1」および「DSC-TX1」に搭載されていたセンサー。1/2.4型で、有効1,020万画素だ

裏面照射型CMOSセンサーの製造で最も困難なのが、シリコン基板を削る工程だという。表面照射型CMOSセンサーのシリコンから配線層までの厚さは約730μm。一方、裏面照射型CMOSセンサーはシリコン基板をフォトダイオードに達するまで削り、約8μmまで薄くする。実に1/90だ。どうやってそこまで薄く削るのかが気になるが、方法は秘密中の秘密という。

ソニーの裏面照射型CMOSセンサー工場を訪ねる - デジカメWatch
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/special/20100304_351111.html

この春は「裏面照射」が面白い！　搭載5製品を一気に試す（前編） (1-3) - ITmedia デジカメプラス
http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1004/16/news033.html

リコー

製品情報 - CX3 Ricoh Japan
http://www.ricoh.co.jp/dc/cx/cx3/
http://kakaku.com/item/K0000084518/
F3.5/広角28mm/リトラクティング光学10.7倍レンズ、1060万画素/裏面照射型CMOS、MotionJPEG/HDサイズ動画、マクロ撮影1cm〜、3.0インチ/92万画素モニタ、高ダイナミックレンジ撮影、高コントラスト白黒撮影、電子水準器、ダサデザイン

キヤノン

キヤノン：IXY 30S｜概要
http://cweb.canon.jp/camera/ixyd/30s/index.html
http://kakaku.com/item/K0000109822/
F2.0/光学3.8倍レンズ、1060万画素/裏面照射型CMOS、3.0インチ24万画素液晶モニタ、H.264動画

パナソニック

DMC-FX70｜デジタルカメラ LUMIX（ルミックス）｜Panasonic
http://panasonic.jp/dc/fx70/
F2.2/広角24mm/光学5倍LEICAレンズ、1410万画素、超解像度技術、3.0インチ23万画素液晶モニタ、AVCHD Lite動画機能