ペベリンスキーズ・ブログ

ペベリンスキーのチラシの裏。

LESとGERD、Sliding Hernia

LESとGERD

人間には食道と胃のつながり目のところに下部食道括約筋(Lower Esophageal Sphincter:LESと略します)という筋肉が存在します。LESは非常に重要な役目を担っています。食物を飲み込むと食道から胃にものが自然に運ばれますが、この際LESは弛緩して食物を胃に速やかに流します。また胃で食物が消化される時、LESは収縮して胃内容物が食道に逆流してこないようにします。このLESの機能が障害された病気の代表的な疾患が逆流性食道炎です。

LESの圧が低くなることにより、胃酸を中心とする消化内容物が食道へ逆流してしまうのです。この状態を胃食道逆流症(Gastroesophageal Reflux Disease;GERDガード)と言います。食道の粘膜は非常に胃酸に対して弱いため、食道は炎症を起します。この状態を食道炎と言います。胃液の逆流により生じる食道炎ですから、文字通り‘逆流性食道炎(Reflux esophagitis;RE)と呼びます。おおよその目安としてGERD患者さんの10〜20%前後の人が逆流性食道炎になると考えられています
http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/upper-dig/esophagus/reflux/index.html

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例:RE(LA grade A) = 逆流性食道炎のロサンゼルス分類A型

Sliding Hernia

食道は胸の中にある臓器です。胃はお腹の中にある臓器です。胸とお腹を境するものが横隔膜です。横隔膜には食道裂孔(しょくどうれっこう)という孔があいています。この孔を食道が通過してお腹の中に入り胃へつながるわけです。食道裂孔はいくつかの筋肉や靱帯で構成されていますが,これらの筋肉が緩むと裂孔が大きくなってしまうことがあります。すると胃が裂孔を通して胸の方へ持ち上がる状態になります。この状態を食道裂孔ヘルニア(Hiatal Hernia)と言います。高齢者や肥満の方,農作業を営んでおられる方などではよく認められる疾患です。食道裂孔ヘルニアを合併した場合,LESの機能は低下することが知られています。したがってGERDや逆流性食道炎を発症しやすくなるわけです。
http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/upper-dig/esophagus/reflux/index.html

食道裂孔ヘルニアで最も多いのは滑脱型(sliding)である。胃の一部が腹腔内に引き上げられるタイプで、もっとも多い。しばしば逆流性食道炎を来たす。滑脱型は合併した逆流性食道炎の症状を呈する。傍食道型では胸部臓器の圧迫症状が出現する。
http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/pediatrics/node170.html