ペベリンスキーズ・ブログ

ペベリンスキーのチラシの裏。

頻脈性不整脈いろいろ

発作性上室性頻拍 PSVT(AVRT/AVNRT)

Paroxysmal(発作性) SupraVentricular Tachycardia(上室性頻拍);PSVT
突然発作的に生じ、心房や房室結節の領域に起因する頻脈性不整脈。持続すると血圧低下や脳虚血などを起こすため、早めの措置が必要。原因部分がはっきりしており、領域も限られているため、アブレーション治療が最も有効。
ECG上は突然規則的な頻拍が始まる。P波は一応あるがモニター上は区別できない。12誘導にて正常とは形の違うP波が見える。
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AtrioVentricular(房室)Reentrant(回帰性)Tachycardia(頻拍);AVRT(WPW Syndrome)
房室結節やヒス束以外に、心室と心房とを結ぶ副伝導路(kent束)があるため、一度心室へ伝わった電気信号が再び心房へ戻る。上室頻拍の7割がこれ。
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  • 房室結節回帰性頻拍 AVNRT

AtrioVentricular Nodal (房室結節) Reentrant(回帰性)Tachycardia(頻拍);AVNRT
副伝導路は存在しないが、1つの房室結節の内部で電気信号の伝わる速さに差があるために、速い経路と遅い経路でループ状の電気信号の伝導路を形成するもの。電気信号が房室結節内を回り続けて心房と心室を交互に刺激するため頻脈性不整脈に陥いる。

心房粗動 AF

心房が毎分250〜400回収縮し、ECG上はF波が見える。多くは右心房を円形に電気信号が回り続ける異常な電気活動によるもの。心房の収縮電位のうち、心室に伝わるのは何分の1かだけなので、実際の脈拍数が毎分250にはならない。慢性化した場合は血栓症に注意が必要。心房粗動もアブレーション治療が有効で、この異常な円形の伝達経路のどこかを断絶するように焼灼する。
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発作性心房頻拍 PAT/AT

paroxysmal atrial tachycardia。心房のどこかに異常自動能を有する部分が存在するために、上室性頻拍が生じるもの。その異常な部位の数が少なく、位置を特定できれば、アブレーション治療によって完治する可能性が高くなる。 PATとPafの違いに注意。

心房細動 Af

高齢者にて最も多い不整脈。血栓を作りやすく、脳梗塞の原因の1/3はAfであり、予防的に抗凝固療法(ワーファリン)が行われる。以前は、原因となる部位を特定しにくいため、アブレーションによる治療は無効だと考えられてきたが、近年、左心房−肺静脈接合部の異常自動能がその原因の90%を占めることが明らかになり、薬物療法などと組み合わせたアブレーション治療が行われるようになってきている。

心室頻拍 VT

原因疾患が不明な「特発性心室頻拍」と、心筋梗塞や心筋症などに合併する「二次性心室頻拍」とに分けられます。特発性心室頻拍では、原因となる副伝導路もしくは異常自動能を有する部位の主なパターンが明らかにされており、アブレーションによる治療が有効です。
二次性心室頻拍は、心筋梗塞などで障害を受けた心臓の筋肉の周囲に生じるループ状の異常な電気信号伝達によるものと考えられていますが、その経路は症例によってさまざまな違いがあり、アブレーション治療が難しい不整脈の1つです。薬物療法及び植え込み型除細動器(ICD)などと併用することなどで、有効なアブレーション治療の方法が試みられています。

アブレーションの合併症

  • 房室ブロック

心臓内のカテーテルが正常な刺激伝導系を傷つけると、新たな不整脈の原因となります。特に、刺激伝導系を傷つけた結果、心房から心室への電気信号の伝達が障害されると、房室ブロックと呼ばれる徐脈性不整脈を引き起こします。自然に回復することがほとんどですが、回復しない場合、人工ペースメーカーの挿入が必要になることがあります。

内頸静脈など肺に近い位置の血管にカテーテルを入れる場合、肺を覆っている胸膜を傷つけてしまい、胸腔に外部の空気が入り込んでしまうことがあります

コピペ元

不整脈とアブレーション治療 — 循環器病情報サービス
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/treatment/ablation.html
http://www.udatsu.vs1.jp/paroxysmal.htm

東京大学医学部 鉄門癌の会
東京大学医学部の学生で構成される勉強会サークルだそうです。以下サイトから心電図勉強会の資料がPPT、PDF形式にてダウンロードできます。必見です。
http://square.umin.ac.jp/gannokai/dl.html