ペベリンスキーズ・ブログ

ペベリンスキーのチラシの裏。

気胸とは

気胸(ききょう;Pneumothorax)


特に原因となる疾患はなく、原因不明と診断されることが多くあります。
直接の原因として、クシャミなどで腹圧が高まったために発生したものであり、痩せ型の若い男性に多くみられます。
治療法としては胸腔に注射針を挿入して空気を抜きます。気胸している空気の量が多いため肺を圧迫している時は胸腔にチューブを挿入して吸収器で排気します。
これらの術後は感染症の予防を行い、それ以降は具体的な治療はなく、経過を観察します。

  • 続発性自然気胸 Secondary spontaneous pneumothorax)

事故による外傷、または胸部の疾患(喘息、結核、肺化膿症、肺がん、胸部への放射線照射など)が原因となっているものをさします。
治療法としては前記の突発性気胸(自然気胸)に準じます。
外傷によるものは必要に応じて開胸手術を行い損傷個所の縫合をします。 外傷による気胸の予後は良好に推移します。
胸部に疾患があるために気胸が起こる際にはその疾患の治療を行いますが、予後は疾患により異なります。

http://www.e-ryoho.co.jp/sample/smp/kikyo.htm

肺胞の一部が嚢胞化したもの(ブラ Bulla)や胸膜直下に出来た嚢胞(ブレブ Bleb)が破れ、吸気が胸腔に洩れる事でおこる。胸痛をきっかけに受診することが多い。聞きなれない病名のため、喘息などと勘違いして放置されることもあるが、それほど珍しい病気ではない。


年配の人の気胸の場合は肺気腫・結核・肺癌などの基礎疾患に伴う続発性気胸が多い。女性の場合は子宮内膜症が横隔膜や肺に広がり月経とともに剥がれ落ちて起こる、月経随伴性気胸の場合もある。交通事故などによる肋骨骨折が原因となるものや、点滴誤穿刺、鍼による肩背部・胸部などへの直深刺などによる外傷性気胸もある。


静脈や動脈の損傷を伴う場合(血胸)は血気胸と呼ばれる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E8%83%B8

緊張性気胸

胸腔に漏れ出した空気が対側の肺や心臓を圧迫している状態を緊張性気胸という。
この場合は血圧低下、ショックを来たし、緊急に胸腔穿刺を行わなければ死に至る。これは、心臓はもちろん肺も、血液が体内を一巡するごとに必ず通る臓器だからである。しかも肺の毛細血管の還流圧は低いため、本症においては血液が肺の毛細血管を通過できなくなる(心臓に戻って来られなくなる)という事を意味する。本症においては、処置に時間の掛かるドレナージで無く迅速な穿刺を行わなければならない。


緊張性気胸による呼吸困難に対し、人工呼吸は禁忌である。胸腔内圧を更に上げる事になり、肺の虚脱が亢進する。緊張性血気胸・血胸では緊急手術となることもある。
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緊張性気胸は救急医療における急死の原因の一つであり,対応が遅れれば心停止に至るおそれがある。したがって緊張性気胸を疑った場合には,胸部エックス線写真による確診を待たずに,速やかな胸腔ドレナージを施行する必要がある。
http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/0220.htm

気胸・肺のう胞スタディグループ

医療者向けの気胸情報。診断画像やドレナージや腹空鏡手術の解説など。必見。
http://lungcare.jp/details.html

若年者気胸では続発性気胸は少なく、ほとんどが原発気胸です。原発性とは原因不明という意味ですが、現在では原因は明らかとなりブラ・ブレブで起る気胸を意味します。ここでは総称としてブラと呼ぶことにします。図1は若年者の左気胸のX線写真です。胸腔鏡で観察すると右のように肺尖部などにブラを見つけることが出来ます。
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以前、胸腔ドレナージは入院して行なうのが一般的でしたが、現在では外来通院で行なわれることが多くなりました。いくつかの携帯型胸腔ドレナージキットが販売されています。代表としてthoracic eggを紹介しましょう。


7Frドレナージチューブと35mlの容器と2個の一方弁が付いた構成で作られ、排気を効率的に出来る装置です(図3)。取り付け位置も脇の下で痛みも少なく、隠れてしまい適切な位置となります(図4)。これにより入院せずに済み、通学・通勤なども可能となりました。


しかし、気胸の高度な場合、血気胸、一週間以上にわたって気胸になっていた場合、再膨張性肺水腫の恐れのある場合、などは入院ドレナージが必要です。外来通院治療にする場合は毎日医師が診察するわけではないので患者さんに家でのドレナージキットの取り扱い方を十分に説明することが大切になってきます。
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  • 胸腔鏡手術

胸腔鏡手術の目的は二つあります。すなわち、現在気胸になっている原因を取り除くこと、そして、将来の気胸再発を予防するということです。

  • 自動縫合器によるブラ切除

大きなブラを切除するときに使用します。およそ直径3cm以上の大きな組織を切離する時が対象となりますが、肺の組織の厚みによって縫合器を使い分ける、切除する範囲によってカートリッジを使い分けるなどの工夫をする必要があります。肺気腫や肺線維症のような病的な肺では切離後空気の漏れや損傷があるので使えないこともあります。その場合は胸腔鏡下で手縫い手術をしたり、電気で焼いたり、loopingといって結んだりします。
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http://lungcare.jp/details.html