昇圧剤DoAとDoBについて
昇圧剤
何らかの原因により、一過性に血圧が急速に低下したとき、輸液負荷でも改善が見られない場合に、昇圧剤の投与を開始する。DoA、DoB、NAなど。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%87%E5%9C%A7%E5%89%A4
DoA
成分名:イノバン(inovan)
一般名:塩酸ドパミン(DopAmine)
生体内で合成されるカテコールアミンの1つ。腎血流量と尿量の増加が見られる。
DoB
成分名:ドブトレックス(dobutrex)
一般名:ドブタミン(DoButamine)
心筋収縮力と心拍出量COの増加が見られる。末梢血管抵抗の増加がみられず(逆に末梢を開くため血圧は下がる)、心筋への負担も少ない。利尿効果は期待できない。
カテコールアミン
テコールアミンは主に脳,副腎髄質および交感神経に存在する生体アミンの総称で,生体内ではドーパミン(DA),ノルアドレナリン(NA),アドレナリン(A)の3種が知られている。
カテコラミンの基本的見解として、
DoAは血圧上昇に加え、利尿作用も期待したい時に使う。
DoBはストレートに心拍出量を上げたい時に選択。But!!DoBは血圧をむしろ下げることになるため、注意が必要。(β作用=末梢動脈拡張作用があるから!!)双方を意識して併用したい。
また、他の薬剤(ミリスロールや利尿剤)も使い前負荷を軽減しながら使う。
NADは心筋の酸素消費量が一番高いと考え、心筋保護したい時(AMI後、心不全や術直後など)には第一選択にはしない。
中止時は漸減することとし、急には止めない。(少量時こそ慎重に。)
<DoAについて> イノバンなど
・ 作用機序:強心作用と利尿作用、血管収縮作用
・ 特徴
・ 低容量(2〜4γ):腎動脈拡張から利尿作用を期待。心収縮力も少しはある。
・ 中等量以上(5γ以上):末梢血管収縮。心収縮作用。利尿作用はなくなると考える。
逆に心臓の仕事量は増えることになり、心筋保護の面では厳しい。
・ 注意点:心室性不整脈に注意(DoB以上に起こりやすい)耐性は起こる。消化管系への循環不良からくる「麻痺性イレウス」に注意。
<DoBについて> ドブックス、ドブトレックスなど
・ 作用機序:心臓選択的作用。
・ 特徴:心拍出量をあげる。しかし、血圧自体は下げる。陽性変力作用では常にDoAを上回る。心筋の酸素消費量、そして心拍数の増加はDoAより少ないと考え、心筋保護の面では有利である。末梢血管拡張作用があり、肺うっ血などの改善に役立つ。これによる、血圧低下はほとんど起こらない。
不整脈作用は少ないと考えられている。
・すなわち右心不全に有効なことが多い。肺動脈圧は低下。
・ 注意点:昇圧作用より、むしろ降圧作用である。がしかし10γ以上では血管収縮作用も出現。もちろん耐性もある。
<NADについて> ノルアドレナリン
・ 作用機序:強いα作用。末梢血管を収縮させ、昇圧する。
・ 特徴:特にゼプシスショック(敗血症性ショック)の時はこれしか効かないことが多い。
・ 注意点:催不整脈作用に注意。 末梢循環不全の患者には特に注意を要する。(さらに悪化させる可能性あり)
・当然肺動脈圧も上昇させる (術後は注意したい)
カテコラミン系:★循環器看護師の学習帳★
http://hokamu.blog10.fc2.com/blog-entry-5.html
【カテコールアミン】
薬 作用部位 心 心 心 末 腎
筋 拍 梢 血 血
品 α β β 収 出 拍 管 流
1 2 縮 量 抵 量
名 力 数 抗
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イソプロテレノール 0 4 4 ↑↑↑ ↑↑↑ ↑↑↑ ↓↓ ↑or↓
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ドパミン 4 4 2 ↑↑↑ ↑↑↑ ↑↑ ↑ ↑↑↑
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ドブタミン 1 4 2 ↑↑↑ ↑↑ ↑ ↑ ↓or→
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アドレナリン 4 4 2 ↑↑ ↑↑ ↑↑ ↑↑ ↓↓
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ノルアドレナリン 4 4 0 ↑or↓ ↑or↓ →or↓ ↑↑↑ ↓↓↓
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*作用部位欄の数字は作用の強さで[2]は2+、[0]は作用なしを意味する。