ペベリンスキーズ・ブログ

ペベリンスキーのチラシの裏。

昇圧剤DoAとDoBについて

昇圧剤

何らかの原因により、一過性に血圧が急速に低下したとき、輸液負荷でも改善が見られない場合に、昇圧剤の投与を開始する。DoA、DoB、NAなど。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%87%E5%9C%A7%E5%89%A4

DoA

成分名:イノバン(inovan)
一般名:塩酸ドパミン(DopAmine)
f:id:pebbleinsky:20101122020536j:image
生体内で合成されるカテコールアミンの1つ。腎血流量と尿量の増加が見られる。

DoB

成分名:ドブトレックス(dobutrex)
一般名:ドブタミン(DoButamine)
f:id:pebbleinsky:20101122020535j:image
心筋収縮力と心拍出量COの増加が見られる。末梢血管抵抗の増加がみられず(逆に末梢を開くため血圧は下がる)、心筋への負担も少ない。利尿効果は期待できない。

DoAとDoBの併用療法

DOA:DOB=1:1-2で併用する。低用量ドパミンと中用量ドブタミンの併用により利尿と強心作用が得られる。合計量が20γを超えないようにする。


カテコールアミン

テコールアミンは主に脳,副腎髄質および交感神経に存在する生体アミンの総称で,生体内ではドーパミン(DA),ノルアドレナリン(NA),アドレナリン(A)の3種が知られている。

カテコラミンの基本的見解として、
DoAは血圧上昇に加え、利尿作用も期待したい時に使う。
DoBはストレートに心拍出量を上げたい時に選択。But!!DoBは血圧をむしろ下げることになるため、注意が必要。(β作用=末梢動脈拡張作用があるから!!)双方を意識して併用したい。
また、他の薬剤(ミリスロールや利尿剤)も使い前負荷を軽減しながら使う。
NADは心筋の酸素消費量が一番高いと考え、心筋保護したい時(AMI後、心不全や術直後など)には第一選択にはしない。
中止時は漸減することとし、急には止めない。(少量時こそ慎重に。)


<DoAについて> イノバンなど

・ 作用機序:強心作用と利尿作用、血管収縮作用
・ 特徴
・ 低容量(2〜4γ):腎動脈拡張から利尿作用を期待。心収縮力も少しはある。
・ 中等量以上(5γ以上):末梢血管収縮。心収縮作用。利尿作用はなくなると考える。
             逆に心臓の仕事量は増えることになり、心筋保護の面では厳しい。
・ 注意点:心室性不整脈に注意(DoB以上に起こりやすい)耐性は起こる。消化管系への循環不良からくる「麻痺性イレウス」に注意。


<DoBについて> ドブックス、ドブトレックスなど

・ 作用機序:心臓選択的作用。
・ 特徴:心拍出量をあげる。しかし、血圧自体は下げる。陽性変力作用では常にDoAを上回る。心筋の酸素消費量、そして心拍数の増加はDoAより少ないと考え、心筋保護の面では有利である。末梢血管拡張作用があり、肺うっ血などの改善に役立つ。これによる、血圧低下はほとんど起こらない。
不整脈作用は少ないと考えられている。
・すなわち右心不全に有効なことが多い。肺動脈圧は低下。
・ 注意点:昇圧作用より、むしろ降圧作用である。がしかし10γ以上では血管収縮作用も出現。もちろん耐性もある。


<NADについて> ノルアドレナリン

・ 作用機序:強いα作用。末梢血管を収縮させ、昇圧する。
・ 特徴:特にゼプシスショック(敗血症性ショック)の時はこれしか効かないことが多い。
・ 注意点:催不整脈作用に注意。 末梢循環不全の患者には特に注意を要する。(さらに悪化させる可能性あり)
・当然肺動脈圧も上昇させる (術後は注意したい)

カテコラミン系:★循環器看護師の学習帳★
http://hokamu.blog10.fc2.com/blog-entry-5.html

【カテコールアミン】

 薬   作用部位   心   心   心   末    腎
        筋    拍      梢 血   血
品  α β β  収   出   拍     管   流
    1  2  縮   量     抵   量
名          力     数     抗  
--------------------------------------------------------------------------
  イソプロテレノール  0 4 4 ↑↑↑  ↑↑↑  ↑↑↑  ↓↓   ↑or↓
--------------------------------------------------------------------------
 ドパミン  4 4 2 ↑↑↑  ↑↑↑   ↑↑    ↑   ↑↑↑
--------------------------------------------------------------------------
 ドブタミン  1 4 2 ↑↑↑  ↑↑   ↑    ↑   ↓or→
--------------------------------------------------------------------------
 アドレナリン  4 4 2  ↑↑   ↑↑   ↑↑   ↑↑   ↓↓
--------------------------------------------------------------------------
ノルアドレナリン  4 4 0 ↑or↓  ↑or↓  →or↓  ↑↑↑   ↓↓↓
--------------------------------------------------------------------------
*作用部位欄の数字は作用の強さで[2]は2+、[0]は作用なしを意味する。

http://www.nms.co.jp/QQ/Drug1.html