ペベリンスキーズ・ブログ

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早期胃癌の画像診断

酢酸法

酢酸法とは酢酸を散布し通常観察より鮮明な画像を得る内視鏡検査法である.1.5% 酢酸散布により粘膜が数秒で白色化し,さらに数分後には元の色に復する反応を利用している.酢酸法は(1)通常内視鏡観察時に利用する方法,(2)拡大内視鏡で表面構造を観察する時に利用する方法と大きく分けられる.
 (1)通常内視鏡観察時に利用する方法は,粘膜の組織型により酢酸による白色化の程度や白色化の持続時間に差があることを利用して,主に早期胃癌の範囲診断に利用する方法である.Ⅱc型早期胃癌は白色化した背景粘膜の中の発赤域として観察されることが多く,範囲診断困難例への有用性が期待される.(2)拡大内視鏡観察の際に表面構造を観察する方法は,光は酢酸により白色化した粘膜表面のみで反射するため表面凹凸の詳細な観察が容易になることを利用した方法である.表面パターンを拡大観察することにより,columnar-lined esophagus(円柱上皮化生食道)や胃,十二指腸などの粘膜の組織学的特徴をある程度推測できる.さらに,上皮性腫瘍とその周囲粘膜の表面パターンの違いに注目することにより質的診断や境界診断にも大変有効である.また,酢酸法にNBIを併用するとコントラストが良くなり,拡大内視鏡による表面パターンが容易により詳しく観察できる.
三重大学附属病院 光学医療診療部 - 酢酸法を用いた内視鏡観察
http://www.jges.net/jges-z/syugi/syugi490701.html