ペベリンスキーズ・ブログ

ペベリンスキーのチラシの裏。

ARDSと肺保護戦略

ARDSとは

急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome;ARDS)
臨床的に重症の状態の患者に突然起こる呼吸不全の一種である。特に発症前後の状態を急性肺傷害 (acute lung injury, ALI) と言う。X線写真上両側びまん性の浸潤影を認め、PaO2/FIO2<200といった酸素化障害があり、心不全に起因しない(心原性ではない)肺水腫をいう。原因は多岐にわたり、敗血症や多臓器不全(MOF)と関連する。
f:id:pebbleinsky:20100412110701j:image

ARDSの症状

酸素飽和度と動脈血酸素分圧が急激に低下する。北米・ヨーロッパコンセンサス会議 (NAECC) は、P/F比 =(動脈血酸素分圧 / mmHg)÷(吸入気の酸素分率 / %)が200以下のものをARDS、300以下のものをALIと定めた。この定義でALIの患者の4人に1人が、7日以内にARDSへと発展する。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%80%A5%E6%80%A7%E5%91%BC%E5%90%B8%E7%AA%AE%E8%BF%AB%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

Open lung strategy

Open lung strategyとは虚脱した肺胞を再び解放する手法であり、局所の正常肺胞(baby lung)の化膨張を防ぎ、ARDSの患者に使用される。

肺保護戦略

肺保護戦略(lung protective strategy)

ALI/ARDSに対する呼吸管理法で,肺の過膨張による正常肺の障害を避け肺を保護する目的でおこなわれる。実際には:①低一回換気量(6ml/kg)(lower tidal volume ventilation),②吸気プラトー圧 < 30 cmH2Oを目標,③吸気プラトー圧の制限を優先し,そのためには高炭酸ガス血症を容認する(permissive hypercapnea),④PEEPは呼気終末における肺胞の虚脱を防ぐためのレベルに設定する。これらはARDSネットワーク(N Engl J Med 2000; 342: 1301)によって実施された大規模臨床試験や,その他の臨床試験の結果から得られたエビデンスに基づいて推奨されているが,例えば頭蓋内圧亢進患者においてhypercapneaは禁忌であり,実際は個々の患者の状態に応じて呼吸管理を実施する必要がある。
http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/0210.htm