ペベリンスキーズ・ブログ

ペベリンスキーのチラシの裏。

薬剤溶出性ステントDESについて

drug-eluting stent;DES
従来型金属ステントに薬剤とポリマーが塗布され、時間と共に薬剤がステント周辺の血管壁に溶出されるステント。塗布された薬剤により、冠動脈再狭窄(血管の治療したところが再び狭くなること)の原因となる新生内膜増殖が抑制されます。
主要心事故 major adverce cardiac event;MACE
標的病変部再血行再建率 target lesion revascularization;TLR

CYPHER サイファー(Cordis,inc)

closed cell design, Sirolimus-Eluting Stent
シロリムスが塗布されており、留置後の8日間にて50%、3ヶ月で全て溶出する。放射性支持力(radial force)に優れているが、血管追従性(conformability)に劣っている。
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TAXUS タキサス(Boston Scientific,inc)

open cell design, Paclitaxel-Eluting Stent
パクリタキセルは元は婦人科のガンや肺がんに対する抗がん剤。conformability、flexibilityに優れているが、radial forceに劣っている。
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ENDEAVOR エンデバー(Medtronic,inc)

Zotarolimus-Eluting Stent
DESでは日本初となるコバルト合金製のプラットフォームを使用しています。従来のステンレス製と比べより薄く、血管にストレスを与えにくくなっています。また波型のリングをつなぎ合わせた柔軟性に優れたモジュラーデザインにより、屈曲した血管でもスムーズに留置することができます。
http://www.gclew.com/modules/press_release/index.php?page=article&storyid=152
http://www.nv-med.com/tct/05/pdf/16.pdf
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XienceV ザイエンスV(Abbott Vascular,inc)

Everolimus-Eluting Stent
XIENCE Vは、市場をリードするMULTI-LINK VISIONステントのデザインに薬剤(エベロリムス)を組み合わせたことで、狭くなった冠動脈を開き、ステントが置かれた場所で冠動脈が再び狭くなること(ステント内再狭窄)を予防するのに役立ちます。これは、心臓の筋肉(心筋)への血流を改善し、血流が途絶えることで生じる症状(胸の痛みなど)を軽減するのに役立ちます。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=240541&lindID=4
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DES留置後の抗血栓薬の服用について

DES留置後はアスピリンを無期限に、抗血小板薬の塩酸チクロピジンを3か月間、患者は服用しなければならない。

チクロピジン塩酸塩による重篤な副作用には、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害があるため、副作用を未然に防ぐため、服用開始2ヶ月間は原則として2週間に1回は血液検査を受けなければならない。

*血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
全身の微小な血管に血栓が形成されておこる全身性の重篤な疾患。皮膚に内出血による紫斑ができることから紫斑病と呼ばれています。血小板減少、溶血性貧血、発熱、腎機能障害、精神神経症状などの症状がみられます。
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/026.htm

*無顆粒球症
顆粒球がほとんど認められなくなる重症顆粒球減少。細菌に対する抵抗力が弱くなり、突然の高熱、のどの痛みなど、感染に伴う風邪のような症状がみられます。

*重篤な肝障害
腹痛、発疹、じんましん、かゆみなどの症状がみられます。

番外編

冠動脈用ステントの製造工程