ペベリンスキーズ・ブログ

ペベリンスキーのチラシの裏。

電気メス VIO300D

f:id:pebbleinsky:20100126235936j:image:right
ERBE VIO300D ドイツ・エルベ社高周波手術装置

切開:オートカット Autocut

出力300W/ピーク電圧740Vp/エフェクト8

切開:ハイカット Highcut

出力300W/ピーク電圧950Vp/エフェクト8

凝固:ソフト凝固 Soft Coagulation

電圧を190Vp以下に抑えることでスパークを発生させず、ジュール熱のみを利用したピュアな凝固モード。出力MAX200W、エフェクト数8。

凝固:スイフト凝固 Swift Coagulation

剥離に適した凝固モード。出血の多い粘膜切開や粘膜下層の剥離を効果的に行えます。出力MAX200W、エフェクト数8。電圧2500Vp。

凝固:フォースド凝固 Forced Coagulation

標準的な接触凝固モード。素早く組織を焼き潰すのに適していますが、組織の炭化や組織の付着による再出血の問題があります。出力MAX120W、エフェクト数4。電圧1800Vp。

凝固:スプレー凝固 Spray Coagulation

フォースド凝固よりも電圧を高くして、空中放電を可能にした凝固モード。アルゴンプラズマ凝固はこのモードにアルゴンガスを付加したもの。出力MAX120W、エフェクト数4。電圧4300Vp。

切開:エンドカット Endocut

EST用に開発された、切開と凝固を交えたモード。エンドカットIとエンドカットQに分かれる。使用器具や症例などによって止血効果(effect)、切開幅(cut duration)、切開速度(cut interval)を独自に設定できる。
f:id:pebbleinsky:20080620123258j:image

止血効果(effect)・・従来のeffectでは、切開時の電圧を上げることで、切開時の凝固効果を変化させていた。(effectを上げると、切開時の電圧が上がりスパークも大きくなり、切開時の凝固層が広くなった)VIOのエンドカットでは、切開休止時の電圧を変更するため、切開効果を変えずに凝固効果のみ変更できるようになった。Effetは4段階。

切開幅(cut duration)・・切開のパルス時間を変更できる。大きくすると一回の切開の幅も大きくなる。4段階。

切開速度(cut interval)・・1サイクル(切開時間+切開休止時間)の間隔を変えることで、早く切るか、ゆっくり切るかをコントロールできます。

アルゴンプラズマ凝固法(APC)

Argon-Plasma Coaglation;APC
スプレー凝固(放電凝固)では、通常よりも高い電圧(4300V)をかけることにより、抵抗の高い空気中にスパークを飛ばす非接触的な凝固法です。接触した点でのみでの接触凝固に比べ、面で凝固できるスプレー凝固はoozingに対して有効な止血法といえます。これをさらに発展させたのがアルゴンプラズマ凝固法(APC)です。

電離しやすいアルゴンガスは、高電圧のスプレー凝固出力によってイオン化したガス(プラズマ)となり、電極と組織の間に効率よく電圧を通す、橋渡し役となります。また発生したアルゴンプラズマビームは、電流密度が低いため、凝固深度は表層にとどまり、かつ均一です。
f:id:pebbleinsky:20100129014020j:image

関連エントリ:アルゴンプラズマ凝固法(APC)について