ペベリンスキーズ・ブログ

ペベリンスキーのチラシの裏。

心静止(Asystole)のアルゴリズム

Primary ABCD Survey ≒ BLS

BLS+モニター心電図をつける
→モニター上心静止(Asystole)の場合、以下の項目を確認する。(flat line protocol)

  • 心幅の低いVFが隠れていないか?(fine VF)
  • 誘導を変えたり、感度を上げたり、電極の確認を!
  • 蘇生努力拒否や尊厳死の宣誓書などの蘇生行為を拒否する証明書はないか?

心停止とは、VFやPulselessVT、PEA、心静止をすべて含み、本来の心拍出量がでほぼ/全くなくなった状態である。電気的除細動が有効なのはVFとPulselessVTのみ。PEAと心静止(Asystole)には除細動の適用はない。
追記:
Asystoleにカウンターショックは かけてはいけない。
カウンターショックを行うことは 強い副交感神経刺激を心臓に加えることになるので(J Am Coll Emerg Phys 8:448,1979) これを行えば心室静止が洞調律に戻る可能性が激減する。臨床的にも心室静止に対してのカウンターショックは生存率を全く改善していない。(Ann Emerg Med 13:827,1984)

AEDを使用した場合、「正常」「心臓の完全な停止(心静止)」「心房細動」に対しては、AEDの診断機能が「除細動の必要なし」の診断を下し通電は行われない。〜必要ありませんとAEDが言っても、CPRをやめないこと。

Secondary ABCD Survey ≒ ACLS

  • Airwayできる限り早く気管挿管
  • Breathing挿管の確認後、換気
  • Circulation静脈路確保後薬剤投与
  • Diagnosis可逆的な原因の検索と治療


経皮的ペーシング:もし考慮したらただちに行う
PEAと同様に可逆的な原因10項目かどうか検索する
病歴・身体所見・心電図・検査結果より検索!(5Hs,5Ts)

PEA, Asystoleの原因疾患、病態(覚え方)
* Acidosis: アシドーシス
* Bleeding: 大量出血
* Cardiac tamponade: 心タンポナーデ
* Drug: 薬物中毒
* Embolism: 肺塞栓症
* Freezing: 低体温
* Gas: 低酸素血症
* Hyper/Hypo K: 高K、低K血症
* Infarction: 急性心筋梗塞
* Jam: 緊張性気胸

→ CPRを継続すると同時に原因疾患の治療を行う
     ↓
使う薬は? 

  • エピネフリン(ボスミン)1mg(1A)ivを3-5分おき
  • 徐脈の場合:アトロピン(硫酸アトロピン) 1mg(2A)ivを3-5分おき最大0.04mg/kg

心静止持続 蘇生行為の継続?中止?

  • 目撃されたCPAの場合は心静止を確認して30分
  • 目撃されてないCPAの場合は15分

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http://ww5.enjoy.ne.jp/~machokato/Asystole.htm

日本大学ACLS委員会Text
http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/eccm/ACLS_text.pdf