SSSについて
洞不全症候群 (sick sinus syndrome, SSS) とは、洞結節の機能障害のために著しい洞徐脈、高度の洞不整脈、洞停止、洞房ブロック、発作性心房細動(粗動)、発作性心房頻拍などの徐脈性ないし頻脈性不整脈をおこす病態をいう。
http://www.udatsu.vs1.jp/sss.htm
分類
- Ⅰ群 14% 原因が明らかでない心拍数50/分以下の持続性洞徐脈
- Ⅱ群 27% 洞停止(sinus arrest)または洞房ブロック(sino-atrial blcok)
- Ⅲ群 59% 徐脈ー頻脈症候群(bradycardia-tachycardia syndrome)
心電図所見
■洞徐脈
失神発作、眼前暗黒感 (faintness) を訴える例では、心電図所見にかかわらず全例にホルター心電図記録が必要
■洞停止
P波の後に著しく長い休止期を認める。
■洞房ブロック(sinoatrial block, S-A block)
- 第1度洞房ブロック:洞結節の興奮は通常の心電図では記録できないため、この型の洞房ブロックは診断できない。
- 第2度洞房ブロック:房室ブロックと同様にⅠ型(Wenckebach型)とⅡ型(Mobitz Ⅱ型)とがある
Ⅰ型(Wenckebach型)PP間隔が漸次短縮し、ついに心房収縮脱落が脱落する。以後、このようなリズムを繰り返す。
Ⅱ型(Mobitz Ⅱ型)PP間隔が突然基本リズムのPP間隔の2倍(ないし整数倍)に延長する。
- 第3度洞房ブロック:洞停止(sinus arrest)の状態と同一。
■徐脈-頻脈症候群
著明な洞徐脈、洞房ブロックなどの徐脈性不整脈と、発作性心房細動(心房粗動)、発作性心房頻拍などの頻脈性不整脈が交互に反復出現する。この型の洞不全症候群を「徐脈-頻脈症候群(bradycardia-tachycardia syndrome」という。
ペースメーカー植え込みの適応
- アダムス・ストークス発作を有する例
- 心不全合併例
- 薬剤療法でコントロール出来ない徐脈性ないし頻脈性不整脈、
- ホルター心電図記録で長い心停止(5秒以上)を認め急死の危険がある場合
- EPS検査にて最大自動能回復時間(maxART)が5秒以上の者